麻疹は感染力が強い病気
麻疹(はしか・ましん)は麻疹ウイルスという菌によって感染する病気です。
麻疹の大きな特徴として、「感染力が強い」ということが挙げられます。
感染症はウイルスによって広がりますが、ウイルスによって感染させる力は異なります。
これを「感染力」と言いますが、感染力が強いウイルスは1人の人から別の人に感染しやすい性質を持っています。
感染力が弱いウイルスは、1人が感染したとしてもその人だけ、または別の1人くらいの感染で収まることがあります。
しかし1人が感染力の強い菌を持っていると、2人、3人とどんどんウイルスが広まってしまう可能性があるのです。
麻疹は数多くあるウイルスの中でも広まりやすい病気と言えるため、十分気をつける必要があるのです。
ちなみに免疫のない人が麻疹ウイルスにさらされると、なんと8〜9割ほどの確率で感染してしてしまうということが分かっています。
感染力の強い病気として結核なども知られていますが、これよりも麻疹は危険性が高いのです。
麻疹は紀元前からあった感染症
麻疹は現在でも耳にすることがある病気ですが、実は紀元前から知られていました。
現在は2020年ですが、紀元前ということはこの数字が始まる前からあった病気ということです。
つまりこの病気が人に知られるようになってから2000年以上も経っており、今なお危険な感染症として認知されているのです。
病気は種類がたくさんありますが、症状が軽く、それほど危険ではないものもあります。
しかし麻疹は人間の長い歴史の中でもずっと危険視されてきた病気で、今後も油断は禁物です。
実は現在でも、麻疹ウイルスに効く薬はないとされています。
すると「発症したらどうすればいいのか」と気になることもあると思いますが、これは「対処療法」という処置をすることになります。
対処療法とは、「生じた痛みなどに対して、その症状を和らげる処置をすること」です。
感染拡大の防止のため、予防接種が効果的
上のように麻疹は感染しやすく、その症状も強い発熱など危険です。
麻疹は手洗いやマスクだけでは予防が不十分なため、別の対策を講じる必要があります。
麻疹にかからないようにするためには、予防接種、つまりワクチンが効果的です。
ワクチンを摂取することで麻疹を予防しやすくなり、周りの人を感染させてしまうリスクも抑えることができます。
感染症が流行しやすい冬になると、ワクチン接種のお知らせが自治体などから来ることも多くなります。
こうした機会にしっかりと予防接種をして、きちんと対策をしておきましょう。
日頃から麻疹を含めた感染症に対して理解を深めることで、いざというときも対処しやすくなるはずです。