歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨などの歯周組織が、細菌感染によって徐々に破壊されていく炎症性の病気です。歯と歯ぐきの間にたまったプラーク(歯垢)に含まれる細菌が原因で、放置すると歯肉炎から歯周炎へと進行します。初期には出血や腫れ程度ですが、進行すると骨が溶け、最終的に歯が抜け落ちることもあります。痛みを感じにくいため、自覚症状が出るころにはかなり悪化していることが多い病気です。
歯周病の原因と進行の仕組み
歯周病の直接的な原因はプラークと呼ばれる細菌のかたまりです。歯磨きが不十分だと、歯の表面にプラークが付着し、やがて硬くなって歯石になります。歯石は表面がざらついており、さらに細菌が付きやすい状態になります。
歯周病は次のような段階で進行します。
- 1.歯ぐきに炎症が起こり、赤く腫れて出血する(歯肉炎)
- 2.炎症が深部に広がり、歯と歯ぐきの間にすき間ができる(歯周ポケット形成)
- 3.歯を支える骨が溶け、歯が動くようになる(中度〜重度歯周炎)
- 4.最終的に歯が抜け落ちる
歯周病の原因と進行メカニズム
原因
歯周病の主な原因は、口腔内に存在する「プラーク(歯垢)」です。プラークは、歯磨きが十分でない部分に細菌が集まり、ネバネバで粘着性のある状態に変化したものです。
プラークは数時間で形成され、やがて石灰化して「歯石」に変化します。歯石になると歯ブラシでの除去が困難となり、細菌の温床になってしまいます。
また、口内環境や全身の状態(喫煙、糖尿病、ストレス、ホルモン変化、骨粗鬆症など)といった “体の因子” も影響します。
進行メカニズム
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歯と歯ぐきの境目にプラークが付着 → 歯肉に炎症(軽度)発生(歯肉炎)
→ 歯ぐきが赤く腫れ、歯磨き時に出血するなどの症状が現れます。 -
プラークが歯周ポケット(歯と歯肉のすきま)に入り込み、歯石・細菌が根から広がる
→ 歯槽骨・歯根膜が破壊される(中度〜重度)
→ 歯がぐらぐら動く・噛みづらくなる・口臭が強くなる・最終的には自然脱落または抜歯へ。 -
さらに進行すると、慢性的な炎症が続くことで、歯周病菌由来の毒素・炎症性サイトカインが血管内に入り、全身に悪影響をもたらす。
歯周病のサインとチェックポイント
歯周病は静かに進行するため、次のような小さなサインを見逃さないことが大切です。
- 歯磨き時に血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 朝起きると口の中がネバネバする
- 歯が長くなったように見える
- 口臭が強くなった
- 歯がぐらつく
これらの症状がある場合は、歯科で早めに検査とクリーニングを受けましょう。早期の歯肉炎なら、適切なケアで治すことができます。
予防と治療の流れ
予防のポイント
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毎日の正しい歯磨き:歯と歯ぐきの境目、奥歯・歯の裏側までしっかりブラッシング
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歯間ブラシ・デンタルフロスの活用:歯ブラシだけでは取りづらいプラーク除去を補助
定期的な歯科検診・クリーニング:歯石除去やポケットのチェック、専門的な清掃がカギ
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生活習慣の改善:禁煙・栄養バランスの整った食事・適度な運動・十分な睡眠・ストレスコントロール
治療の流れ
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初期の歯肉炎の場合:プロのクリーニング+歯磨き指導+生活習慣改善で十分に回復可能。
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歯槽骨が破壊された歯周炎の場合:歯周ポケットの除去(スケーリング・ルートプレーニング)、場合によっては切開手術・骨造成が必要。
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抜歯が避けられない重度の場合:欠損後の治療として、義歯・ブリッジ・インプラントなど再補綴の検討。
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治療後も「メインテナンス期」として定期検診が不可欠。口腔環境を維持しなければ再発・進行のリスクが高まります。
放置するとどうなる?
歯周病を放置すると、やがて歯を支える骨が吸収され、歯が動くようになります。噛む力が弱まり、食べづらさや発音のしにくさを感じ始めるでしょう。最終的には歯が抜け落ちてしまうことも珍しくありません。
そして一度失われた歯槽骨は、自然には再生しません。そのため、歯を失った後の選択が非常に重要になります。放置してしまうと、空いた部分の骨がどんどん痩せていき、インプラントが難しくなる場合もあります。
万が一、歯を失ったあとの選択肢
歯周病によって歯を失ってしまった場合でも、しっかり噛める機能を取り戻す方法があります。
その代表的な治療法が「インプラント」です。見た目も自然で、健康な歯を削る必要がない点が大きな魅力です。
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