早期治療が大切CKD(慢性腎臓病)

慢性腎臓病(CKD)について学ぶ

人間の体は、どの臓器も非常に重要な役割があります。
その中でも腎臓は命そのものを支えていると言っても過言ではない臓器の一つです。
腎臓には、血液の中の老廃物、つまり必要のないものや汚れたものを取り除いてキレイにろ過する働きがあります。
血液のフィルターのような働きがあるというわけです。

その腎臓の働き、つまり腎機能と言われる機能がゆっくりと時間をかけて低下してしまう病気が慢性腎臓病です。CKDとも呼ばれています。
慢性腎臓病が極端に低下すると、体の中で老廃物が溜まるため毒素が全身に回ります。
そのため、尿毒症と言われる症状が起きます。
意識が失われてしまったり、頭痛や吐き気、しびれやめまい、貧血発作などが現れます。

そのような症状が出ると命の危険もあるため、素早く透析治療が必要になります。
腎臓の機能は一度失われると回復できないものなので、一度透析治療が必要になればその機能を元に戻すことはできません。

慢性腎臓病について知っておきたいことのひとつは、早期発見が重要だということです。
ほぼ自覚症状が現れず早期発見が難しい病気なので、定期的な血液検査などで腎機能を確認し異常が見つかれば治療を行うことが必要でしょう。

腎機能の低下に伴い、脳の血管や心臓の血管の病気が増加しがちです。
脳卒中や心筋梗塞を防ぐためにも慢性腎臓病の早期発見・早期治療が欠かせません。

数字で見るCKD

日本透析医学会による統計調査では、日本国内で透析をしている人の人口は約32万人で年々増加傾向にあることがわかります。
そのうち、慢性糸球体腎炎と糖尿病腎症の2つが全体の70%を占める原因です。
慢性腎臓病の患者数は約1330万人とされています。

慢性腎臓病と関連がある病気とは?

慢性腎臓病と深い関係があるのは高血圧症です。高血圧症は慢性腎臓病の原因になりますし、慢性腎臓病が原因でも高血圧になります。
つまり、相互に関係し合っておりなおかつ重篤な症状を発症しやすい病気ということです。

心筋梗塞や脳梗塞、狭心症や動脈硬化など、脳や心臓の血管と関係した病気は慢性腎臓病の患者さんが発症しやすいのも特徴です。
体の障害に影響したり、寿命にも関係するほど重大な病気と言えるでしょう。

さらに、生活習慣病であるメタボリックシンドロームや糖尿病、痛風や脂質異常症なども慢性腎臓病の原因になります。
慢性腎臓病は慢性的に腎機能が低下した状態を指すものなので、原因は腎臓そのものに起こる病気や生活習慣に関係した糖尿病なども含まれます。
糖尿病に伴う慢性腎臓病の患者さんの方が多いことは現代の社会問題となっています。