軽い動作でも息苦しくなるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、肺の中が壊されたり気管支が狭くなることが原因で、少し動いただけでも息苦しさを感じてしまう症状が出る病気です。
息苦しくなるという症状のうち、特に特徴的なのが息を吐き出す時に呼吸がしづらくなるということです。

痰や咳が長期間続くこともあり、軽い動作をしただけでも息苦しくなってくるため、生活のクオリティに大きな影響を与えます。
慢性閉塞性肺疾患は慢性気管支炎と肺気腫を合わせたような病気とされており、原因は汚れた空気を長い期間吸い続けることです。

慢性閉塞性肺疾患は進行してしまう病気で、日常生活が制限され活動量が低下するため食事をとることもできなくなるほど重症化することがあります。
気管支を広げる薬を使った後に、一秒率が70%未満になっていて、なおかつ他の病気の原因がない場合にPOCDという診断が下ります。

慢性閉塞性肺疾患を数字でチェック

では、慢性閉塞性肺疾患を数字で確認していきましょう。
実はこの病気は世界の死因なんと第4位です。
日本国内では40歳以上のCOPD有病率は約8%、患者数は推定530万人ともされています。
思っているよりも身近な病気だということがわかります。

COPDによる死亡数は1年間で15000人を超えており、死因別の死亡数では日本国内では第10位という結果になりました。
割合は、男性の方が圧倒的に多いのが特徴です。
慢性閉塞性肺疾患は肺がんになるリスクが5倍になることでも知られています。

COPDの治療に使われている年間の国内医療費は約2兆2507億円です。
65歳から70歳の年齢層に使われている医療費が最も多く、約3千億円となっています。

関連性が強い病気とは?

慢性閉塞性肺疾患と関連性が強い病気には何があるのでしょうか?
主に二つあり、一つ目は肺がん、二つ目はタバコ病です。
COPDにかかってしまうと肺がんになるリスクがグンと高くなるだけではなく、肺がんになったあと治療にも様々な影響を及ぼすため関連性が強いのです。

また、タバコと関係がある病気を総称したタバコ病という病気とも深い関係があります。
慢性閉塞性肺疾患だけではなく、くも膜下出血、喉頭ガン、歯周病など喫煙の習慣と関連性が示されている病気をまとめてタバコ病と言います。

慢性閉塞性肺疾患の原因のほとんどはタバコともされており、実はこの病気にかかる患者さんの約90%は喫煙している人か喫煙の経験がある人です。
タバコをやめるだけでも呼吸が随分と楽になり気管支が広がることがあるため、タバコと慢性閉塞性肺疾患には切っても切れない関係があると言えるでしょう。