胃潰瘍

胃の粘膜がダメージを受けて起こる胃潰瘍

胃潰瘍とは、胃酸が胃の粘膜を傷つけて、痛みや出血を引き起こす症状です。
胃は食べ物を消化するために強力な酸を分泌しており、その力は強力で、胃本体を溶かすほどです。
胃酸で胃がダメージを受けないために、胃の表面は粘膜は粘液で保護されています。
しかし、何らかの事情で胃酸と粘膜のバランスが崩れたときに、胃酸が直接胃壁を刺激してダメージを与えるのです。

一般的な症状としては、みぞおちあたりに痛みを感じることが挙げられます。
このほかにも、胸焼けや吐き気、食欲減退などの症状があります。
症状が進行すると出血が起こり、コールタールのような黒い便がでます。
しかし、痛みなどの自覚症状がないケースも多いため、胃潰瘍を発症していることに気付かないこともあります。

胃潰瘍は投薬治療が中心

胃潰瘍の治療法としては、出血がない場合は投薬治療が中心となります。
胃酸の分泌を抑える成分や、粘膜を修復する成分、消炎剤、鎮痛剤など、症状に合わせた薬が処方され、薬を飲んで治していきます。
ピロリ菌が原因の場合はピロリ菌を除去する薬が処方され、投薬治療では2か月程度で症状がよくなるのが一般的です。
出血がある場合は、内視鏡による止血治療も行われます。

胃潰瘍の初期は痛みが激しいなどの症状が出ることが多いので、食事療法や食事制限も重要な治療法です。
胃腸が大きなダメージを受けており出血のリスクもありますから、消化が良く胃を刺激しない食事を取って胃を休めます。
当然ながらタバコやお酒も禁止となります。

胃潰瘍リスクを下げるためにはストレスを溜めないことが大切

胃に負担をかけない生活習慣を身に付けることが、効果的な予防法です。
胃潰瘍の原因の多くがストレスと考えられているため、日頃からストレスをため込まないことが大切です。
また、高脂肪や刺激の強い食事は控えましょう。
お酒もほどほどにとどめ、煙草を吸う方は禁煙するのも効果的な予防法となります。

また、関節痛の痛み止めなどによく使われる非ステロイド系消炎鎮痛薬は、副作用として胃の粘液の分泌を抑えるため胃が荒れやすくなります。
長期間にわたって非ステロイド系の薬を服用していると、胃潰瘍のリスクが高まるといわれています。

胃潰瘍の代表的な原因としてピロリ菌の感染がありますが、感染を予防する具体的策は確立していません。
近年は、LG21のヨーグルトがピロリ菌を減少させ、胃の炎症を抑える作用があるとして注目されています。
このような食品を日常の食事に取り入れるのもおすすめです。

何かとストレスを感じることが多い現代社会において、胃潰瘍に悩む人が増えているといわれています。
みぞおちの痛みや胸焼けなど、胃の不快感に悩まされている方は医師の診療を受けることをおすすめします。