悪性リンパ腫

血液のがん、悪性リンパ腫とは?

悪性リンパ腫とは、一口でいうと血液のがんです。
白血球の中にあるリンパ球の細胞が、がんに変じて起こります。
悪性リンパ腫にはさまざまな種類がありますが、発生する部位はリンパ系の組織と、リンパ系以外の組織の2種類に分けられます。

リンパ系の組織は、外界からウイルスや殺菌などが体内に侵入するのを防ぐ免疫の役目をしており、リンパ管やリンパ液のほか、胸腺や脾臓、扁桃などがあります。
リンパ系以外の組織は、胃腸や肝臓、皮膚、甲状腺などさまざまな部位が当てはまります。
リンパにかかわる組織は全身に及ぶので、悪性リンパ腫も体の様々な部位に発生します。

主な症状としては、リンパ節が集まる首や脇の下、足の付け根などの部分にしこりができます。
痛みを感じないケースも多く、しこりは少しずつ大きくなっていきます。
症状が進むと熱が出る、体がだるい、寝汗をかくなど、風邪とよく似た症状が出るのが一般的です。
また、しこりが内臓や血管などを圧迫するので、体にしびれやマヒなどの症状がでることもあります。

症状によって異なる悪性リンパ腫の治療方法

治療法は症状によって異なるため、検査をして症状を把握しながら適切な治療が選ばれます。
主な治療法は、化学療法と放射線による治療です。
また、造血幹細胞移植が行われる場合もあります。

化学療法は抗がん剤でがん細胞をやっつける治療で、抗がん剤の注射や点滴、服用を、数か月にわたって行います。
悪性リンパ腫では、最も一般的な治療法といえるでしょう。
放射線治療はX線を照射してがん細胞を破壊する治療で、初期の症状に行われるのが一般的で、化学療法と並行して行われることもあります。

造血幹細胞移植は、化学療法や放射線治療などを行った後、衰えた骨髄の働きを改善するための治療です。
事前に採取した造血幹細胞を、再び体に投与します。

悪性リンパ腫の予防方法はあるの?

悪性リンパ腫は、発症するメカニズムは全容が解明されていないため、確実な予防法は確立されていません。
このため、早期発見・早期治療が重要ですので、定期的に健康診断を受けましょう。
日常生活においては規則正しい生活を送り、バランスの取れた食事、良質な睡眠、禁煙、適度な運動などの健康管理が大切です。
規則正しい生活習慣は、悪性リンパ腫に限らずがんや成人病のリスクを減らすのに役立ちます。
健康的な生活習慣を身に付け定期的な健康診断は、がんの予防と早期発見における基本事項といえるでしょう。

そして、日頃からリンパ節にしこりがないかを確認するようにしましょう。
首や脇の下、足の付け根などのリンパ節に違和感や腫れを感じたら、そのままにせず病院で診てもらってください。