依存症

依存症の概要

依存症とは、何か特定の物事に依存してしまい、自分の意志ではやめられなくなる状態のことを指します。
依存する対象は人によってさまざまですが、アルコールや違法ドラッグなどの薬物や、ギャンブル、買い物、セックスといった行為が多いです。
医学的な定義では、物質の使用をコントロールできない状態を依存症とします。
しかし、物質だけでなく行為やその過程も含め、対象が何であれそれにすっかり依存してしまい、自分でやめようと思ってもやめられなくなっている状態が依存症です。
要は、自分の意志でやめることができず、本人や周囲の人がそのせいで多大な苦痛を負っていたり、生活に支障をきたしたりしていることがポイントになります。

依存症をおおまかに分けると、アルコールなど特定の物質に依存するケースと、ギャンブルやセックスなど特定の行為に依存するケースの2種類あります。
特定の物質に依存するケースでは、アルコールや違法薬物など対象はさまざまですが、依存性の強い物質を何度か摂取するうちに徐々に耐性ができてしまって、前よりも強い刺激を求めて使用する量や頻度が増えてしまう状態です。
自分の意志で量や回数をコントロールすることができません。

特定の行為やプロセスに依存するケースも、その対象に必要以上にのめりこみ、自分でコントロールできない状態になる点で同様です。
物質への依存と同じく、前回よりも強い刺激を求めて頻度や回数が増えていき、やめたくてもやめられなくなってしまいます。

依存症の治療法や予防法

依存症は自分の意志でコントロールできなくなる病気ですから、自分で治療するこはできません。
対象に依存するうちに脳の回路が以前とは違っているため、本人がどんなにやめたいと思ってもやめられないのが怖いところです。
そのため、たとえばお酒やギャンブルの依存症の人に責めたり泣きついたりしても、また、本人自身も深く反省してもう二度と手を出すまいと思っていても、ほどなく繰り返してしまいます。
依存症という病気に理解がない人は「本人の意志が弱いから」と思いたくなりますが、本人の意志とは関係ないのです。

したがって、たとえばアルコール依存なら、お酒を飲みつつ徐々に依存症から回復するなどということはできません。
依存対象の物質や行為を完全に断つしか方法はないのです。
また、たとえ何十年も依存対象から離れていたとしても、一度手を出すとまたもとに戻ってしまいます。
脳の回路がそのように変わってしまっているからです。
したがって、専門的なプログラムに沿って、一生かかってやめつづけるしか回復の道はないと言えるでしょう。

依存症を予防するには、依存する可能性のある物事に最初から近づかないことです。
しかし、依存対象は人によってさまざまで、誰もが依存症になる可能性がありますから完全な予防というのは難しいでしょう。