外来種の悪影響

外来種は何が問題なのか?

最近、テレビなどでも取り上げられる外来種の問題。
そもそも外来種とは、何を指すのでしょうか。
外来種とは人間によって、もともと生息していた場所から、それ以外の場所に持ち込まれた生物のことをいいます。

外来種の多くは、生息していた場所と異なる環境に適応できずに死んでしまいます。
しかしなかには生命力の強い生物もおり、これらの生物は新しい環境でも生き残り、周囲の生物を駆逐するなど悪影響を及ぼすケースもあります。
このような外来種のことを侵略的外来種と呼び、周囲の生物や農作物、漁業、人間などさまざまな被害を発生させています。
したがって外来種の問題は、侵略的外来種が及ぼす被害と言い換えることができるでしょう。

侵略的外来種が及ぼすは被害は、多岐にわたります。
もともとそこで暮らしていた動物や植物を食べたり、他の場所へ追い出したりして、その地域の生態系を変えてしまうケースは、よく知られているのではないでしょうか。

このほかにも、似たような種と交配して雑種が生まれることで発生する問題もあります。
このようなケースでは病気などの免疫がないなど、もともと持っていた抗体がなくなってしまう危険があります。
これらの影響で、作物や木材などの量が減る、質が低下する、魚などの漁業資源が損なわれるといった問題が考えられます。

外来種は人にも危険?

侵略的外来種は、人にも害を与えることがあります。
驚異的なリスクとしては、他の場所からやって来ることで、その地域にしか存在しない病気や寄生虫が持ち込まれ、人に感染するリスクが挙げられます。

このため、外来種からSARSやエボラ熱などの感染症が、国境を越えて持ち込まれるリスクが重要視されています。
これらの病気は主にネズミや昆虫などから持ち込まれます。
しかし、このようなネズミと近い種類動物がペットとして輸入されているケースが報告されています。
また、人が気づかないうちに昆虫などが貨物などに紛れ込んで国内に侵入する可能性もあるのです。

このほか、セアカゴケグモなどのくも、サソリ、アカカミアリ、カミツキガメなど、人を刺したり噛み付いたりする危険な外来生物もいます。

国はどのような外来種対策を行っているの?

国や自治体でも外来生物については警戒を強めているものの、外来生物対策が十分に行われているといはいえないのが現状です。

現在、特定外来生物法が施工されており、悪影響を及ぼすと考えられる海外からの外来生物を特定外来種として指定し、輸入や飼育の禁止などの規制が行われています。

しかし、外来種は輸入される動物や昆虫だけでなく、意図せずに入り込む生物もいます。
また、一度環境に適応した外来種が及ぼす被害を食い止めるのは、大きな労力な莫大な資金が必要となり、私たち一人ひとりが環境と向き合うことが、外来種被害を食い止める大きなカギとなるともいえるのです。

それと同時に、驚異的な外来種の侵入を防ぐ、予防に関する法律強化が求められるのではないでしょうか。