騒音(低周波音)がもたらす悪影響

低周波騒音とは?

人の健康は、周囲の環境によって大きく左右されます。
私たちを取り巻く環境にはさまざまな要素がありますが、その中でも健康被害を及ぼすものとして挙げられるのが“騒音”です。
工事現場での作業音や工場の機械音、乗り物のエンジン音などが代表ですが、そのほかにも家屋や店舗のエアコン室外機の音や楽器の演奏音など、日常生活で起こる音も騒音の原因となります。

人の健康に害を及ぼす騒音の多くは周波が低い音であるため、低周波騒音とも呼ばれています。
低周波とは周波数が100ヘルツ以下の低周波のことをいいますが、人はこのような周波数帯の音を聞き取るのが難しいのです。
しかし、自覚しなくても低周波音に囲まれた暮らしは心身にストレスを与えるため、「低周波騒音」と呼ばれてています。

低周波騒音が及ぼす心身への影響は?

低周波騒音によって体に表れる影響には、さまざまなものがあります。
代表的な症状としては、眠れない、眠りが浅い、圧迫感かあるなどです。
頭痛や手足のしびれを感じる人も少なくありませんし、吐き気やめまい、呼吸困難、動悸やいきぎれ、血圧の上昇など、さまざまな悪影響を及ぼします。

それだけではなく、低周波騒音によって起こる症状は全身に及び、幻覚やイライラ、不安感や脱力感などの精神的な症状も代表的なものです。
症状が進んで、うつ病を発症する人もいます。
イライラが原因で交通事故を起こした事例も報告されており、日常の不快感から命に関わる被害までさまざまな健康被害が発生しています。

効果的な騒音対策は?

騒音は建設工事や工場の稼働音、乗り物など、自分ではコントロールできないため、個人の努力で騒音を止めるのが難しいのが現状です。
このため、騒音がなるべく耳に入らないようにするのが、有効な方法といえるでしょう。

最も身近な対策としては、耳栓を使うことです。
比較的安価に購入できるので手軽なのもメリットで、近年はノイズキャンセラー機能で不快な音をかき消すなど、すぐれた耳栓が開発されています。
このほか、壁に吸音材を貼る、窓を防音窓に変えるなど、防音工事を行う方法もあります。
しかしこちらは、工事費用などのコストがかかります。

騒音を出している人や企業と直接交渉して騒音を止めてもらう方法もありますが、円満に交渉が成立するしなかった場合、トラブルに発展するケースがあるので注意を要します。
直接苦情を訴えるとトラブルになりやすいので、マンションの管理会社や管理組合、自治体など、第三者に介入してもらうのがおすすめです。
マンションの管理人や自治体などに相談しましょう。
ただし、管理会社や自治体の対応マニュアル、取り組み姿勢などによって異なるので、100%対応してもらえるとは限りません。